この記事の要点
- 新規案件を増やす“最短距離”は、まったくの新規開拓よりも、すでに接点のある「ハウスリスト」の活用。
- あるBtoB企業では、ハウスリスト約1,000件から144件の面談機会(SAL)を創出。1件あたり約14,000円で、相場(5〜10万円)の5〜10分の1のコストだった。
- 成果を分けたのは“やり方”——後任担当者の特定(リフレッシュ)・売り込まない接触・確度での仕分け。
新規の受注や案件を、もっと増やしたい——多くの営業組織に共通する課題です。その手段としてまず思い浮かぶのは“新規開拓”ですが、実はもう一つ、案件創出の“最短距離”があります。それが、すでに接点のある顧客リスト(ハウスリスト)の活用です。
一度でも関わりのある相手は、まったくの新規よりも話を前に進めやすく、低いコストで面談機会につなげられます。本記事では、なぜハウスリストが最短距離なのか、そして実際に144件の面談機会(SAL)を生んだ進め方を解説します。
ハウスリストとは?
ハウスリストとは、過去に接点を持った顧客の情報(既存顧客・失注顧客・展示会や問い合わせで得た名刺など)を指します。
対象になるのは、たとえば次のようなリストです。
- 過去に商談したが受注に至らなかった「失注リスト」
- 取引はあったが、ここ1〜2年動きのない「休眠顧客リスト」
- 展示会や問い合わせで獲得したまま活用できていない「名刺リスト」
なぜハウスリストが“案件創出の最短距離”なのか?
結論から言えば、すでに接点のある相手が母数のため、新規開拓より低いコストで面談機会を作れるからです。
- 認知ゼロから始める新規開拓と違い、“知っている相手”なので、接続・会話・面談化の効率が高くなります。
- そのぶん、面談機会1件あたりの単価が下がります。後述の事例では 面談機会(SAL)1件あたり約14,000円——
これは 相場(5~10万円)の5~10分の1でした。 - ただし、ハウスリストは放っておくと担当者の異動・退職で“使えなく”なります。だからこそ、価値が残っているうちに動くほど有利です。
【実践例】ハウスリストから144件の面談機会(SAL)を創出
あるBtoB企業が、中堅・中小規模のハウスリスト約1,000件に対し、後任担当者の特定(リフレッシュ)を目的とした掘り起こしアプローチを行った事例です。
この取り組みのパフォーマンス
- 架電(アプローチ):約1,000件
- 担当者へ接続:約700件(接続率 70%)
- 面談機会(SAL):144件を創出(=営業が後日あらためて連絡する了承を得た、面談につながる引き継ぎ)
- 面談機会1件あたりの単価:約14,000円
成果を分けたのは“やり方”(リーグルの型)
ただし、これは「接点があるから安い」という一般論だけで実現したわけではありません。成果を分けたのは、次の3つの“やり方”です。
- 後任担当者の特定(リフレッシュ):接続できた企業の約半数で、担当者が異動・退職していました。そこで後任を探し当てて接点を作り直す“リフレッシュ”を徹底しました。ここを飛ばすと、リストは「使えない番号の集まり」になってしまいます。
- 売り込まない接触:いきなり製品を売り込まず、「今後のご検討状況を確認させてください」という切り口で入り、相手の状況・課題を先に把握しました。
- 確度での仕分け:全件を無理に面談化しようとせず、「今すぐ/いずれ/対象外」に分け、確度の高い相手に絞って引き継ぎました。
費用対効果をさらに高めるコツ
以下の3点を押さえると、費用対効果がさらに高まります。
- ターゲットを絞る:全件に一律で当たるのではなく、再燃しやすい相手から優先する。
- 確度で仕分ける:全件を無理に面談化しようとせず、「今すぐ/いずれ/対象外」に分ける。
- 続ける仕組みにする:一度きりの棚卸しで終わらせず、定期的なメンテナンス活動にする。
よくある質問(FAQ)
Q. 「面談機会(SAL)」とは何ですか?
A. 本案件でのSAL(Sales Accepted Lead)は、「営業が後日あらためて連絡する了承を得た=面談につながる引き継ぎ(リード)」を指します。リーグルが創出・納品するのはこの面談(機会)までで、その先の商談化・受注に至るかは、引継ぎ後のフォロー次第です。
Q. なぜハウスリスト活用は新規開拓より低コストなのですか?
A. すでに接点のある相手が対象で、認知ゼロから関係を作る必要がないためです。接続率や面談化率が高くなりやすい分、面談機会1件あたりの単価が下がります(事例では相場の5〜10分の1)。
Q. どのくらいのリスト件数から始められますか?
A. まずは500件程度の小ロットから、リストの“点検”として始めるのが現実的です。優先度の高い相手から試すのがおすすめです。
まとめ
新規案件を増やす最短距離は、まったくの新規開拓よりも、すでに接点のあるハウスリストの活用です。接点がある相手のぶん、面談機会(SAL)を相場の5〜10分の1のコストで作れます。ただし、成果を分けるのは“やり方”——
後任担当者の特定・売り込まない接触・確度での仕分け。そして、価値が残っているうちに動くことです。
「ハウスリストがあるのに活かせていない」——そうお考えでしたら、まずは小ロットからの点検から始めてみてください。
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