インターネットを通じた集客の需要が増える昨今、テレアポは非効率だとする声が高まっています。しかし、必ずしもテレアポが非効率とは限りません。
たとえばWebでリーチできない顧客に営業をかける場合、テレアポはかえって効率の良いやり方です。またテレアポは直接顧客にヒアリングできるため、商談獲得までの時間が短いのもポイント。このようにテレアポには、効率的といえる側面もあるのです。
そこで本記事ではテレアポと、その他の営業手法を徹底比較。またテレアポはどのような企業に向いているのかも、紹介します。テレアポの効率を上げる手法にも触れるので、テレアポが上手くいかず悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
テレアポは非効率?他の営業手段と比較
テレアポが本当に非効率なのか、ほかの営業手段と比較してみましょう。
テレアポ | メール営業 (DM) | 訪問営業 | レター営業 | 展示会営業 | Webサイト・ SNSでの営業 | |
---|---|---|---|---|---|---|
アポ獲得率 | 1~10% | 2~5% | 0.5~10% | 3%前後 | 10%前後 | 1~4% |
所要時間 | 〇 | ◎ | △ | 〇 | △ | 〇 |
人件費 | △ | ◎ | △ | ◎ | 〇 | ◎ |
その他諸費用 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ | △ |
リーチできる顧客の数 | 〇 | ◎ | △ | △ | 〇 | ◎ |
上記の表のとおり、テレアポは比較的アポ獲得率が高い営業手法といえます。人件費が多くかかるものの、極端に効率が悪いということはありません。
テレアポの成功率を上げるポイントについては、「【BtoB向け】テレアポの平均成功率は?アポ獲得に向けた秘訣を解説」の記事をご覧ください。
テレアポの非効率な側面
テレアポが非効率とされるのは、以下の理由があるためです。
- 1回に1件しか電話を掛けられない
- 顧客がタイミングを選べない
- スキルがないと成功率は1%程度
- 多くのリソースが必要
- 担当者の精神的負担が大きい
うらを返せば、上記のデメリットを最小限に抑えれば、テレアポは有効な手段といえます。テレアポが難航している場合は、ぜひご確認ください。
テレアポが現代でも広く活用されている理由については、「【現場担当に聞いた】テレアポは時代遅れ?意味ない?現代でも通用する手法を解説」をご覧ください。
1回に1件しか電話を掛けられない
電話は1回につき、1人の相手にしかかけられません。そのため、一人の営業担当者が1日にリーチできる顧客数には限界があります。とくに通常業務と並行してテレアポを行う場合、まったく件数がさばけないこともしばしば。
一方、メールやレター営業、SNS営業は一度に大量の顧客へリーチできるのがポイント。またSNSやWebサイトでのコンテンツマーケティングの場合、一度発信した情報は半永久的に集客に役立つ財産として蓄積されます。
このような背景から、テレアポは非効率だとされる場合があります。
顧客がタイミングを選べない
テレアポは、顧客が受け取るタイミングを選べません。さらに顧客を拘束し、時間を奪ってしまう性質があります。そのため、顧客がたまたま忙しいときに電話をかけてしまい、アポ獲得のチャンスを逃すこともあり得ます。
一方メールやレター営業は、顧客が好きなタイミングで開封できる営業手法です。テレアポとは異なり、タイミングによって営業が失敗に終わる可能性は低いと考えられます。
スキルがないと成功率は1%程度
テレアポの成功率は1〜10%と、幅があります。これはテレアポのスキルにより成功率が大きく変動するためです。新人やテレアポ未経験者の場合、成功率は1%未満となることもあり得ます。
担当者のスキルを底上げするには教育が欠かせません。また、実際にテレアポの経験を積み、失敗しながら上達していく場合もあるため、非効率といわれる傾向にあります。
なおスキルにより成功率が変わるのは、ほかの営業手法にもいえることです。テレアポスキルを高める方法については、「テレアポのアポ率を高めるための具体的な方法と計算方法について解説」をご覧ください。
多くのリソースが必要
テレアポには、多くの人件費がかかります。メールやWeb集客などの営業手法に比べ、担当者一人でできる業務に限界があるためです。またアポ獲得率が2%と仮定すると、1件のアポと獲得するのに50件の架電が必要となります。
大量の電話をかけるためにコールセンターを設置する場合もあるでしょう。そうなると人件費のほかにも、設備費用や外部委託費用などが発生します。
担当者の精神的負担が大きい
テレアポは営業担当者の精神的な負担が大きいため、非効率といわれることもしばしば。とくに完全な新規営業の場合、顧客は知らない相手からの電話を受けて不信感を抱きます。また「セールス」に対して反射的に拒否反応を示すことも少なくありません。
無言で電話を勢いよく切られたり、ため息をつかれたり。アポが獲得できないばかりか、こうした対人ストレスも感じるのがテレアポの難点です。
テレアポの効率的な側面
テレアポには以下のとおり、効率的といえる側面もあります。
- その場でヒアリングできる
- 成功すればすぐ商談へ進める
- Webでリーチできない企業にも営業できる
- 成果の集計がしやすい
ターゲットや商材の性質によっては、メールやWeb集客よりもテレアポのほうが成果が上がることも少なくありません。また、テレアポが難航している場合は、上記のメリットを活かしきれていない可能性もあります。
その場でヒアリングできる
テレアポは顧客の課題やニーズを、その場でヒアリングできるのが特長です。そのため顧客に合わせて、最適な提案ができます。また、単なる営業だけでなく、市場調査やマーケティングにも有効です。
一方、メール営業やレター営業は一方的。顧客が返事をしてくれなければ、相手がどう思ったのか、アプローチが正しかったのかすら判断できません。
その点テレアポは、仮にアポ獲得率が悪くてもすぐにターゲットを変更したりトークスクリプトを見直したりといった軌道修正が図れます。
成功すればすぐ商談へ進める
テレアポは「話が早い」という点でも効率的です。こちらの提案が顧客にはまれば、一度の架電で商談を取り付けることも可能。顧客の興味・関心があるうちに、アポを獲得できます。
一方メール営業やレター営業では、相手の返事を待ち、さらにそこからやり取りを進めて商談へつなげます。ステップが多い分、途中で離脱してしまう顧客も少なくありません。
また決裁者や意思決定権のある人へ、その場でリーチできる可能性が高いのもテレアポの特長です。
Webでリーチできない企業にも営業できる
テレアポはアナログな方法ですが、その分Webでリーチできない企業もターゲットにできます。BtoCでシニアをターゲットとしている場合や、中小企業や個人事業主をターゲットとしている場合は特に、テレアポは有力な営業手法です。
成果の集計がしやすい
テレアポは、成果の集計がしやすい営業手法です。顧客の反応は、以下のとおりすぐに判断できます。
- 不通
- 見込みなし
- 見込みややあり(再度打診)
- 見込みあり(アポ獲得)
一方、メール営業やWeb営業では相手の顔も声も分からないため、感度がつかみにくい傾向にあります。
またテレアポは、相手のリアクションによって営業手法を改善していけます。たとえば名乗った瞬間に電話を切られた場合、話し始めに何か問題があったのかもしれません。トークスクリプトを改善する余地があると考えられます。
このように、相手の反応を見ながら最善策を探っていけるのもテレアポの効率的な側面です。
テレアポが非効率にならない企業の特徴
テレアポはターゲットや商材によって、非効率な側面を最小限に抑えられます。たとえば以下の条件に当てはまる企業は、テレアポでの営業が向いています。
- 単価の高い商材を扱っている
- 長期契約の商材を扱っている
- 法人向けの商材を扱っている
- Webを使っていない客層を対象としている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
単価の高い商材を扱っている
商材の単価が高ければ、アポ獲得率が低くても少ない成約数でコストを回収しやすいといえます。たとえばテレアポで月100万円の人件費がかかっているとしましょう。アポ獲得率を2%とした場合、人件費回収に必要な成約数と必要な架電数は以下のとおりです。
【商材単価が10万円の場合】
最低5件の成約が必要→250件の架電が必要
【商材単価が100万円の場合】
1件の成約が必要→50件の架電が必要
このように単価が高ければ高いほど、コストを回収しやすくなります。むやみに架電数を増やす必要もなく、人件費も抑えやすいでしょう。
長期契約の商材を扱っている
「月額〇円」といった、長期契約型の商材を扱っている場合も、テレアポは有効です。たとえば以下のとおり。
- サブスクリプションサービス
- レンタル・リース
- コンサルティング
- 通信教育・オンラインスクール など
一度獲得した顧客と長期的に関係を維持することによって、成約までにかかったコストを回収しやすくなります。
また顧客が商材に満足していれば、新規顧客を紹介してもらえることも期待できます。また契約中の顧客に対して、より利益率の高い商品やプランへのアップグレードをすすめることも可能です。
法人向けの商材を扱っている
BtoB営業をしている場合も、テレアポは効率的です。一般的に、BtoCよりもBtoBのほうが電話の接続率が高いとされています。
個人と異なり、対企業の場合、営業時間中であれば少なくとも受付スタッフには接続できます。もしターゲットの担当者が不在でも、在籍予定を聞いたり伝言を残したりと、再接続に向けたアクションを起こせるのがポイントです。
Webを使っていない客層を対象としている
Webを活用していない客層を対象としている場合も、テレアポは効率的な営業手段です。たとえば、以下のような客層をターゲットとしている場合が挙げられます。
- BtoC:シニア向け商材
- BtoB:高齢な個人事業主 など
またこうしたターゲットは、テレアポや訪問営業といった相手の見える営業手段に好感を持つ場合もあります。
テレアポの効率を上げる方法
テレアポをより効率的に実施するには、以下のポイントを押さえましょう。
- Webマーケティングやインサイドセールスと連携する
- 顧客リストの作り方を見直す
- 既存顧客に見込み客を紹介してもらう
- 一度失注した顧客にも再度アプローチする
- テレアポスキルを磨く
- DM送付後に電話する
- 営業代行会社を利用する
上記の方法を試せば、アポ獲得率の向上も期待できます。新規営業については「新規営業を成功させるコツ【顧客を獲得できるチャネルも紹介】」もご覧ください。
Webマーケティングやインサイドセールスと連携する
テレアポはリーチできる顧客の数に限界があります。人件費や外部委託費用がネックになることもしばしば。
こうした問題の解決には、Webマーケティングやインサイドセールスの併用がおすすめです。Webマーケティングとは、Web上で集客する方法です。テレアポの前段階として不特定多数に情報をリーチし、見込み客を発掘できます。
一方インサイドセールスは、メルマガといった非対面の手法で見込み客との接点を作り、育成していく営業手法です。詳細は「インサイドセールスとマーケティングの違いや関係性は?連携強化のポイントも解説」をご覧ください。
こうした手法で顧客の見込み度を高め、ここぞというときにテレアポを活用すれば、営業効率も高くなるでしょう。
顧客リストの作り方を見直す
やみくもにテレアポを実施しても、成果は上がりません。適切なターゲティングを行い、見込みのある顧客を絞り込んで実施することで、効率が上がります。つまりテレアポが難航している場合、顧客リストの選定が適切ではないのかもしれません。
以下の点を見直しましょう。
- ターゲットは自社の商材にマッチしているか
- ターゲットの選定方法は適切か
- テレアポリストの購入元のは選定は適切か
- 見込み度に応じて顧客の優先順位付けができているか
そもそもの営業戦略が適切でなければ、テレアポも無駄に終わってしまいます。自社の強みを生かした営業戦略を立てる場合は、「営業戦略に便利なフレームワーク!今すぐ使えるテンプレートを解説」をご覧ください。
またテレアポリストを購入している場合、どこから購入するかも重要です。自社の業界、商材に合ったリスト購入サービスは、「【最新】テレアポリスト・営業リストの購入サービス」をご覧ください。
既存顧客に見込み客を紹介してもらう
既存顧客経由で、顧客を開拓していくのもおすすめです。特に既存顧客からの紹介という形であれば、以下の理由からテレアポの成功率も各段に上がりやすいでしょう。
- すでに接点が構築できている
- 見込み度の高さが期待できる
このような集客方法を取る場合、以下の点がポイントとなります。
- 既存顧客との接点づくりを定期的に行う
- 既存顧客のフォローに注力し、満足度を高める
- キャンペーンを実施して紹介のメリットを訴求する など
一度失注した顧客にも再度アプローチする
まったくの新規顧客にテレアポを実施するよりも、一度接点を作った顧客に再度営業をかけるほうが効率的です。一度失注した顧客でも、時間が経てば状況が変わっている可能性があります。
また「以前貴社の〇〇様と△△の件でお話させていただいた山田です。」といえば、受付を突破できる可能性も高いでしょう。
ただし、以前とまったく同じ提案にならないよう、注意しましょう。失注したときを上回る、以下のような提案が必要です。
- 新商品・新サービスの提案
- 以前の課題を克服した提案
- 以前よりも丁寧に業界情報をまとめた提案 など
テレアポスキルを磨く
テレアポの成功率が低い場合、担当者のスキルを磨くのも一つの手です。スキルを上げる方法は、以下のとおり複数あります。
- トークスクリプトを作成し、改善を繰り返す
- 社内でロールプレイングを繰り返す
- 社内研修を充実させる
- 外部研修を受ける など
アポ獲得率が上がれば、担当者の精神的な負担も軽減されるでしょう。クロージング段階で失注することが多い場合は、「テレアポのクロージング成功率を上げるテクニックと具体的なトーク例を解説」をご覧ください。
また新規営業での成約率が上がらない場合は、「新規営業の電話で成約を取る方法【事前準備から基本マナーも解説】」でポイントを詳しく解説しています。
DM送付後に電話する
テレアポの前にDMを送っておくのも効率を上げるポイントです。顧客の知識レベルが白紙の状態でいきなり電話をかけるより、大まかにでも情報を共有してからの方が話も早くなります。
また事前にDMで接点を作っておくことで、電話の取次もスムーズになるでしょう。
営業代行会社を利用する
テレアポの効率を上げるには、営業代行会社の利用もおすすめです。営業代行会社には、テレアポの高いスキルを持ったスタッフが在籍しています。
自社の業界や商材に特化した営業代行会社に依頼すれば、よりスムーズにテレアポを実施できるでしょう。自社のリソースを割く必要もありません。
また営業代行会社によっては、テレアポのトークスクリプトを作成・改善できる場合があります。弊社リーグルは、ご依頼主さまに合わせたトークスクリプトを作成し、ご契約終了後もそのノウハウを社内でご活用いただけます。
営業代行会社については、「BtoB営業代行のおすすめ業者を厳選!料金やサービスを比較」をご覧ください。
リーグルのテレアポ代行が営業効率をアップした事例
ここからは営業代行リーグルが、テレアポ代行で営業効率を向上させた事例を紹介します。今回紹介するのは以下の3事例です。
- 顧客を大企業に絞り短期間で40件のアポ獲得
- 2カ月間の活動で97件のアポを獲得
- 1千万円超の高額商材を2件以上成約
IT・Saas業界に特化したリーグルは、これまで700社以上の実績があります。とくに新規営業分野を得意としているため、顧客リストがない状況でもご活用いただけます。
顧客を大企業に絞り短期間で40件のアポ獲得
1つめは、LANDesk Software株式会社様の事例です。LANDesk Software株式会社様では、顧客育成にリソースを割けていないことが課題となっていました。同社の商材の性質上、ターゲットは主に大企業だったこともあり、外注は検討していなかったそうです。
しかしそんなとき、リーグルの営業担当からテレアポが入ったそう。打ち合わせのなかでリーグルがテレマーケティングだけの会社ではないことや、ITリテラシーが豊富だという点から依頼を決定。
その結果、大企業のターゲットリスト1,000件以上を獲得。さらに非常に見込み度の高いアポイントを短期間で40件獲得するに至りました。今までは手が回っていなかった潜在顧客にもリーチでき、効率的な営業が実施できた事例です。
詳しくは「事例 : LANDesk Software株式会社様」のページをご覧ください。
2カ月間の活動で97件のアポを獲得
2つめの事例は、とある外資系メーカー様です。こちらの企業様では日本支社での営業が数名しかおらず、リソース不足が課題となっていたそう。そこで駆け込みで、リーグルにご依頼いただきました。
当初のターゲットリストは、担当者情報も不明な状態。そのような中、2ヵ月という短期間でできるだけ効率的な営業活動を、というご依頼でした。
そこでリーグルはコール先の絞り込みや優先順位付け、アプローチ方法など、包括的なご提案を実施。結果的に、ターゲット500社をリストアップし、コールドコールにて97件のアポイントを獲得しました。
詳しくは「CASE4:外資系メーカー A 様の事例」のページをご覧ください。
1千万円超の高額商材を2件以上成約
3つめは、大手日系ITソフトウェアパッケージメーカーS様の事例です。こちらの企業様では、エンドユーザーに対する新規開拓営業が課題となっていたそう。新規開拓に関するノウハウがなく、既存顧客対応やパートナー対応だけでリソースが不足している状況でした。
こうした中で、自社スタッフと同じ目線で施策のPDCAを回して行けるリーグルに営業代行をご依頼いただきました。競合も多い商材であったため、まずは既存の新規開拓方法の見直しを実施。
自社製品の差別化できるポイントを改めて洗い出し、テレアポのトークスクリプトを作成。アポイント企業の傾向や失注した企業の分析、過去のデータ分析も実施しました。
その結果、テレアポの成功率も向上。1,000万円以上の高額商材でありながら、3ヶ月の活動×4回で2件以上の成約を獲得できました。
詳しくは「CASE1:大手日系ITソフトウェアパッケージメーカー S様の事例」のページをご覧ください。
まとめ-商材や業態に応じてテレアポを活用しよう
テレアポは、必ずしも非効率とは断言できません。ターゲットや商材によっては、効率的に営業できる場合もあります。そのため、自社にとって適切か判断したうえでテレアポを活用することが重要です。
リーグルはテレアポ代行をはじめ、営業効率を上げるさまざまな施策をご提案いたします。ターゲティングから顧客リスト作成、接点構築やナーチャリングなどもお任せください。
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