企業の売上や利益拡大のために、営業戦略の策定は欠かせません。
しかし、多くの企業が戦略策定に苦戦しています。
本記事では、営業戦略の概要や重要性、営業戦略を立てる8つのステップ、成功に導く3つのポイントを解説。また、営業戦略の成功事例についても紹介します。
自社に合った営業戦略を立案し、売上や利益拡大を目指しましょう。
営業戦略の定義
ここからは、営業戦略の概要や混同しやすい営業戦術、販売戦略との違いについて解説します。
営業戦略とは?
営業戦略は、売上目標を達成するための計画のことです。自社の強みや市場環境を活かし、誰に、何を、どのように売るかを明確にすることで、効率的に目標達成へと導きます。
また、営業戦略の策定により、ターゲット顧客に適した商品やサービスの提供をすることが可能です。労力の無駄を低減し、売上の拡大を図ることに期待できます。
さらに、顧客ニーズに応じた提案を通じて顧客満足度を高め、長期的な関係構築にも寄与します。
自社に最適な営業戦略を策定し、目標達成と顧客満足度向上を実現しましょう。
営業戦略と営業目標の違い
営業目標は、営業活動を通じて達成したい具体的な成果のことです。
定量的な指標で表現されることが多く、具体例は以下の通りです。
- 売上目標(例:前年比120%達成)
- 顧客獲得目標(例:新規顧客100件獲得)
- 顧客満足度向上目標(例:顧客満足度アンケートで80%以上達成)
営業戦略と営業戦術の違い
営業戦術は、営業戦略で立てた計画を遂行する具体的な行動のことです。営業戦略に基づいて具体的な施策やツールなどを活用し、目標達成に向けて実行に移します。
営業戦術の具体例は以下の通りです。
- 顧客との初回面談では、課題を明確にし、ソリューションを提案する
- 見積書作成ツールを活用して、迅速かつ正確な見積書を作成する
- セミナーやウェビナーを開催し、潜在顧客に自社のソリューションを紹介する
販売戦略の違い
営業戦略と販売戦略は、どちらも売上拡大を目指すための戦略ですが、目的やターゲットに違いがあります。
項目 | 営業戦略 | 販売戦略 |
---|---|---|
目的 | 自社の商品・サービスを効果的に 販売するための具体的な計画を立てること | 自社の商品・サービスを効果的に 売る仕組みを作ること |
ターゲット | ・自社商品を知らない潜在顧客 ・既存顧客 | ・市場全体 |
両者の戦略は関連しているため、連携することで、より効果的な売上拡大が期待できます。
営業戦略の重要性
営業活動において、目標達成には明確な営業戦略が不可欠です。計画も立てずに闇雲に行動しても、時間や労力の無駄になるだけでなく、目標から遠ざかってしまう可能性が高いです。
一方、営業戦略を策定することで、自社の強みを活かし、顧客ニーズに合致したサービス展開ができます。適切な営業戦略は、効率的に目標達成へと導きます。
営業戦略を立てる8つのステップ
営業戦略は、8つのステップを踏むことで効果的に策定できます。
現状分析と課題の明確化
営業活動の成功には、現状を正確に把握し、改善すべき課題を明確にすることが不可欠です。課題を抽出・分析し、解決策を検討することで、より効果的な行動につなげられます。
現状分析は、自社の営業活動状況を客観的に調査・分析し、現状を把握することです。現状分析で得られた情報を基に、解決すべき課題を明確にします。
具体的には、以下のステップで課題を特定します。
- 現状と目標との比較:設定した目標と現状とのギャップを明確化
- 問題点の洗い出し:ギャップの原因となる問題点を抽出
- 優先順位付け:抽出した問題点の中で、解決すべき優先順位の高いものを特定
現状分析と課題の明確化は、効果的な営業戦略を構築するための基盤であるため、丁寧に分析を行いましょう。
営業戦略の目的と具体的な目標の設定
営業戦略の目的はKGI(Key Goal Indicator)にて設定します。また、それだけでなく具体的な行動指標であるKPI(Key Performance Indicator)の設定も欠かせません。
ここでは、営業戦略におけるKGI・KPI設定のポイントについて解説します。
営業戦略の目的を定めるKGI
多くの企業が、成果を明確にするためにKGI(Key Goal Indicator)を設定しています。KGIは、営業活動の成果を数値で示し、目標達成度を測定する指標です。KGIを設定する際は、単に「売上を向上させる」という漠然とした目標ではなく、数値的な成果を設定しましょう。
営業戦略の目的とKGIの具体例は以下の通りです。
- 新規顧客獲得数の◯倍化
- 顧客単価の◯倍化
- 顧客満足度◯向上
目的を設定することで、営業活動の方向性が明確になり、具体的な行動に落とし込めます。
具体的な営業目標を定めるKPI
KPIは、KGI達成に向けた具体的な活動の成果を測定するための指標のことです。
KPIの設定例として、以下のようなものがあります。
- 新規顧客獲得数:年間◯件、月平均◯件
- 顧客単価:◯円
- 顧客満足度:◯%以上
KPIを設定することで、目標達成状況を可視化し、改善点や具体的な行動計画を明確にできます。
市場調査において内部・外部環境を分析する
営業戦略を成功させるために、自社を取り巻く内部環境と外部環境の理解が重要です。
内部環境分析は、ヒト・モノ・カネなど自社のリソースを把握します。例えば、営業担当の人数を把握することで、営業活動における上限値を推測できます。
外部環境分析は、市場環境、競合他社、政治・経済情勢、社会動向などを分析し、市場における自社の立ち位置や市場成長性を把握します。
内部環境分析と外部環境分析を組み合わせることで、自社の立ち位置を明確にし、将来に向けた戦略を策定できます。
顧客理解とペルソナの設定
顧客ニーズや行動パターンを把握することで、売上拡大、顧客満足度向上などにつながります。
ペルソナ設定は、顧客理解を深めるための有効な手段の一つであり、架空の顧客像のことです。具体的な属性や行動パターン、どのようなことを日々考えているかなどを設定することで、顧客をより深く理解できます。
ペルソナ設定の具体例は以下の通りです。
- ペルソナ名:佐藤 花子
- 年齢:30歳
- 性別:女性
- 職業:会社員
- 家族構成:夫と子供2人
- 趣味:旅行、読書
- 価値観:家族との時間を大切にしたい
- ニーズ:便利で使いやすい商品、情報収集の効率化
自社商品やサービスに沿ったペルソナを設定し、顧客目線でニーズを把握しましょう。
カスタマージャーニーの策定
カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスを購入・利用するまでの過程を、顧客視点で可視化したものです。顧客の行動、思考、感情を分析することで、売上拡大につながる戦略を策定できます。
施策の実行
策定したアクションプランに基づき、計画した施策を具体的な行動に移すことが、目標を達成する上で重要です。
例えば、新規顧客獲得を目指す場合、目標数値を設定し、達成するための具体的なマーケティング活動を計画します。実行フェーズでは、活動を実際に行い、期限内に目標達成を目指します。
営業戦略の成功を実現するためには、具体的な行動が不可欠です。
定期的な進捗チェック
進捗チェックを行うことで、計画と実際の成果の間に生じるギャップを早期に発見し、必要に応じて戦略を調整することが可能です。
例えば、新規顧客獲得の目標を設定した場合、月次や四半期ごとの進捗チェックを通じて、目標に対する現状の達成度を評価します。もし目標に対して遅れが見られる場合、追加のマーケティング施策を実施するなどの調整が可能です。
定期的な進捗チェックは、営業戦略の効果的な実行と目標達成のために欠かせません。
営業戦略を成功に導く3つのポイント
営業戦略を成功に導くために、3つのポイントを押さえることが重要です。
現状分析を行い、自社の課題を把握する
課題を把握することで、戦略の方向性を定めやすくなります。目標達成に必要な施策を効果的に実行するためには、自社の強みや弱みを理解し、現状の課題を正確に把握しましょう。
例えば、営業活動の分析結果から成約率が低いと判明した場合、具体的な行動やプロセスを分析することで、問題点を特定できます。
現状分析を通して、自社の課題を明確に把握し、戦略の改善に繋げましょう。
顧客ターゲティングを明確にする
顧客ターゲティングの明確化は、営業活動の効率化と成果向上に欠かせません。
顧客ターゲティングを明確にすることで、ニーズや購買意欲の高い顧客に優先的にアプローチすることができ、限られた時間とリソースを最大限に活用できます。
具体的には、年齢、性別、職業、所得などの属性情報に基づいて、顧客をセグメント化します。 顧客属性を分析することで、共通するニーズや購買行動を持つ顧客グループを特定することが可能です。
自社の強みや競合との差別化ポイントを明確にする
自社の強みや競合との差別化ポイントを明確にすることで、顧客に対して自社の価値をはっきりと伝えられます。
市場での自社の位置づけを理解し、顧客が自社の商品やサービスを選ぶべき理由を明確にすることで、効果的なマーケティングと営業活動につながります。
営業戦略を成功に導くために、自社の強みや競合との差別化ポイントを明確にしましょう。
営業戦略の成功事例3選
営業戦略の策定は、企業にとって重要な課題です。しかし、自社に合った戦略をどのように策定すれば良いのか悩む方も多くいます。
ここでは、3つの成功事例を紹介します。事例からのヒントを参考に、自社に合った営業戦略を策定しましょう。
なお、営業戦略の成功事例については「営業戦略の成功事例10選|戦略の重要性と成功に導く3つのポイントも紹介」にて詳細を解説しているため、あわせてご覧ください。
リソース不足を克服し、アポイント獲得数112件/Qを達成
外資系のSaaSベンダーは、新規顧客獲得においてリソース不足の課題を抱えていました。当時、アウトバウンドコールに必要な人材が不足しており、さらには教育体制も整っていなかったため、売上の成長が停滞していました。
課題改善のため、リーグルの営業代行サービスを活用し、ターゲット企業のキーマンへの効率的なアプローチを実施。週次での進捗レビューを通じて、チーム全体のスキルアップと営業効率の向上を図りました。
その結果、四半期ごとに112件のアポイント獲得という成果を達成しました。
リソース不足でアウトバウンドコールやインサイドセールスにお困りの企業は、リーグルの営業代行サービスにご相談ください。
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新規サービス導入の課題を解消し、商談受注率を3倍に増加
UXデザイン・コンサルティングを手がけるベンチャー企業は、新たに開発したサブスク型SaaSサービスの営業で受注率の低さに直面していました。
課題改善のため、営業組織を新サービスに特化して再構築し、売り方を可視化することで営業担当のスキルアップを図りました。
また、営業プロセスの見直しと意識改革に取り組み、受注に至るプロセスの管理を徹底することで、受注率を3倍、案件化率を2倍に向上させました。
新サービスに適した営業戦略の策定と具体的な行動指針・ツールによる営業サポートの強化により成功を実現しました。
売上拡大に向けた営業戦略により、月間アポイント獲得数を260%UP
上場を目指すノーコードアプリ開発プラットフォーム提供企業は、営業リソースの不足と売上拡大の必要性に直面していました。
課題に対応するため、営業代行サービスの利用という戦略を採用。目標達成にコミットする営業代行企業の選定を通じて、営業活動の効率化と受注数の増加を目指しました。
結果として、月間アポイント獲得数を260%増加させることに成功。
営業代行サービスを選定する際に、自社の要望を明確にし、要望を満たす企業を入念にリサーチし選定したことが成功のポイントです。
営業戦略立案に役立つフレームワーク
ここでは、営業戦略立案に役立つ3つのフレームワークを紹介します。
それぞれのフレームワークの特徴を理解し、自社の状況に合ったフレームワークを選択しましょう。
3C分析
3C分析は、自社環境、市場環境、競合環境の3つの要素を分析することで、効果的な営業戦略を立案し、市場と顧客理解を深められます。具体的には、自社の強みや弱み、顧客ニーズ、競合との差別化ポイントを明確化することで、実行可能な計画を立てることが可能です。
3C分析では、以下の3つの観点から分析を行います。
自社環境(Company) | 自社の内部環境、強み、弱み、資源 |
市場環境(Customers) | 顧客セグメント、ニーズ、購買行動 |
競合(Competitors) | 競合企業の戦略、強み、市場ポジション |
以下の課題を持つ企業や担当者におすすめです。
- 自社の市場内での立ち位置を把握したい
- 顧客ニーズをより深く理解し、満たしたい
- 競合との差別化戦略を明確にしたい
SWOT分析
SWOT分析は、自社の強みや弱み、市場の機会・脅威を分析し、顧客ニーズに沿った営業戦略を構築するためのフレームワークです。
SWOT分析を活用することで、企業は自社の立ち位置を明確に理解し、効果的な営業戦略を立案できます。
SWOT分析は、以下の4つの観点から分析を行います。
強み(Strengths) | 自社の内部資源や能力で、競争上有利な点 |
弱み(Weaknesses) | 争上不利となる自社の内部の制限や欠点 |
機会(Opportunities) | 市場や環境における成長や利益の可能性 |
脅威(Threats) | 競争相手や外部環境の変化によるリスク |
SWOT分析は、以下の課題を持つ企業や担当者におすすめです。
- 自社の現状を把握したい
- 競争優位性を確立したい
- 課題を克服し、成長を実現したい
ランチェスター戦略
ランチェスター戦略は、市場における強者と弱者の法則を数理的に解析し、企業が競争においてどのように振る舞うべきか指針を提供します。
ランチェスター戦略を活用することで、企業は自社の市場におけるポジションを強化し、競争を有利に進めるための戦略立案が可能です。
ランチェスター戦略は、2つの法則に分けられます。
- ランチェスターの第一法則(強者の戦略)
「すでに市場で強い地位を持っている企業は、さらに有利になる」という考え方です。
すでにマーケットシェアが高い企業が、マーケティング活動にたくさんお金を使うことで、自分たちの優位性をさらに強くできます。
寡占市場やニッチ市場などの少数の企業だけが競争している市場に有効です。 - ランチェスターの第二法則(弱者の戦略)
「市場に多くの競合がいる場合、全員にアプローチするよりも、特定のグループに
絞ってアプローチした方が成功しやすい」という法則です。
例えば、特定の顧客層や地域にマーケティングのリソースを集中させることで、小さいけれどもしっかりとした市場ポジションを築けます。
ランチェスター戦略は、以下のような課題を持つ企業や担当者におすすめです。
- 自社の市場における競争ポジションを強化したい場
- 効果的にマーケティングリソースの配分を行いたい
- 競合に対して有利な戦略を立案したい
営業戦略策定によくある3つの課題
営業戦略策定において、多くの企業が直面している3つの課題について解説します。よくある課題を事前に知ることで、同じ課題を避けられるでしょう。
それぞれの課題の原因を分析し、適切な対策を講じることが重要です。
顧客ニーズの把握不足
顧客ニーズが把握できていないと、顧客のニーズに合致した商品やサービスを提供できず、売上減少に直結します。
顧客のニーズや要望を十分に理解しないまま製品やサービスを開発や販売をした場合、市場のニーズと合わない可能性が高く、リソースの無駄遣いや販売機会の損失につながるでしょう。
顧客のニーズを的確に把握することで、マーケティングや営業活動をニーズに合わせて最適化でき、売上拡大や顧客満足度を高められます。
競合との差別化不足
競合との差別化ができていない場合、顧客の購買意欲を高められず、競合に埋もれてしまう可能性が高くなります。
差別化不足の原因はいくつか考えられます。
- 自社の強みや弱みを正しく理解できず、競合との違いを明確に打ち出せない
- 顧客の潜在的なニーズや課題を把握できず、顧客にとって魅力的な提案ができない
- 競合の製品・サービスを把握できておらず、自社の立ち位置を明確にできない
現状を分析し、具体的な施策を実行することで、差別化を実現しましょう。
社内のリソース不足
社内のリソース不足は、多くの企業が直面している課題です。営業戦略策定においても大きな障害となり、さまざまな問題を引き起こします。
例えば、リソースが不足している場合、優れた営業戦略があっても、実現するための営業担当者が足りず、目標が達成できない可能性があります。
リソースを適切に確保し管理することが、営業戦略の成功を左右する要因の一つになります。
しかし、社内の人員が足りない場合、営業代行サービスの利用を検討することがおすすめです。
営業代行サービスを活用することで、専門的な知識やノウハウを持った人材を短期間で確保し、営業戦略の目標達成を加速させられます。
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まとめ
営業戦略を立案することは、売上拡大や顧客満足度向上において欠かせません。
しかし、多くの企業が限られた時間とリソースを有効に活用し、効率的な営業活動を展開することに課題を抱えています。
リーグルでは、ターゲットの特定からリードの獲得、育成に至るまでのプロセスを全面的に支援することが可能です。
営業戦略における営業の課題に直面している企業は、リーグルの営業代行サービスをぜひ検討してみてください。