商談の成功がビジネスの成果を大きく左右する中、はたして商談成功の秘訣は何なのでしょうか。
そして、なぜ多くの人々は商談の途中で失敗してしまうのでしょうか。
商談の失敗には、必ず合理的な理由があります。
むしろ、うっかりミスによる失注や偶然が生む商談失敗というものは、実のところ多くありません。
言い換えれば、商談失敗につながりやすい要因をうまくケアしておけば、商談成功率は格段に高められるのです。
そこでこの記事では、商談における一般的な失敗談や失敗の背後にある原因を明らかにし、それを克服するための具体的な方法やコツを紹介していきます。
商談の失敗には必ず理由がある
商談での失敗はなぜ起こるのか。
これは、多くの営業職やビジネスパーソンが頭を悩ませている問題です。
そして、商談が失敗した折、「今回は運がなかっただけだ」「うっかりしていつもの提案能力を発揮できなかった」と考えるビジネスパーソンは少なくありません。
しかしながら、成功の裏には必ず効果的な努力があるのと同じように、失敗の裏には必ず合理的な理由が潜んでいます。
特にビジネスの現場での「商談の失敗」は、ただの不運や一時的なミスだけでなく、深い原因が絡んでいることが多いのです。
結局のところ、商談が失敗する原因は次の3つのうちのいずれかであることがほとんどです。
- 準備面の不足・失敗
事前の調査や準備が足りていないことによる失敗 - 能力面の不足・失敗
商談担当者自身の能力に起因する失敗 - 営業面の不足・失敗
顧客との接触・コミュニケーションのあり方に関連する失敗
細かく見れば要因はさまざまであるものの、それらは、大きく見れば上述に3つに分類可能です。
たとえば、準備が十分でないことが失敗の原因となる場面は、商談の最初の段階からすでに見受けられます。
情報収集が浅かったり、その情報をもとに適切な仮説を立てられなかったりといったことがそれにあたります。
一方、能力面での不足は、顧客の真の課題を見抜けなかったり、適切なプレゼンテーションができなかったりといった事がらに見られるでしょう。
最後に、営業面での失敗は、顧客との関係性の築き方や、次のステップを明確にすることの重要性を示しています。
これらの要因が一体どのように商談の失敗を引き起こすのか、具体的にはどのようなアクションや心構えが必要なのか。
次の章からは、それぞれの要因を詳しく掘り下げていきます。
商談でよくある失敗談と失敗理由
商談はビジネス成功のための大きなステップですが、多くの人が失敗する要因が存在します。
商談の失敗は主に、事前の準備・自身の能力・営業のアプローチに関連する不足や過ちから起こることが多いです。
たとえば顧客の背景を調査せずに商談を開始した場合、提案内容が顧客のニーズと合致せず、結果的に商談が失敗に終わる可能性が高まります。
したがって、商談の成功を目指すには、準備面・能力面・営業面の3つの要点を押さえることが非常に重要です。
そこでこの章では、上記3つの観点から具体的な商談失敗要因を10点紹介します。
- 準備面の不足・失敗
- 情報収集が足りていない・浅い
- 収集した情報をもとに仮説を立てられていない
- 課題解決に必要な情報を理解できていない
- 能力面の不足・失敗
- 仮説を基にヒアリングできていない
- 顧客の本質的な課題を見出せていない
- 商談・打ち合わせ各回の目的を設定できていない
- 担当者の心を動かすプレゼンテーションができていない
- 顧客との妥協点をうまく設定できない
- 営業面の不足・失敗
- 顧客担当者との関係性を築けていない
- ネクストアクションを確認できていない
それぞれ詳しく解説していきます。
準備面の不足・失敗
商談における成功の一歩は、しっかりとした準備から始まります。
しかし、多くの人が準備段階での不足やミスに気づかず、これが商談失敗の大きな要因となります。
例を挙げると、顧客の過去の購入履歴や予算、ニーズに関する情報をきちんと収集しないまま商談に進むと、提案内容が顧客の期待と大きくかけ離れることがあります。
したがって、情報収集の質・量、仮説の立て方、課題解決の情報理解などが重要となります。
情報収集が足りていない・浅い
これは、情報収集が不十分だと顧客の真のニーズを理解できず、提案が的外れになる可能性があるためです。
たとえば、顧客が以前利用していたサービスの詳細を知らないまま、新しいサービスを提案すると、それが顧客の求めているものと合致しないことが考えられます。
そこで、顧客の背景やニーズをしっかりと収集することが、商談の成功に繋がる鍵となります。
収集した情報をもとに仮説を立てられていない
これは、仮説をもとに商談・プレゼンテーションの戦略を計画することで、顧客のニーズや期待に合わせた提案ができるからです。
1例を挙げると、事前のヒアリングや問い合わせ段階で顧客が挙げていた課題に対して、その主たる原因や見落とされている別の課題について仮説を立てることは、その解決策を提示する商談において内容を大きく左右するものです。
その分析力や構想力自体もまた、顧客があなたの企業への発注を決めるにあたっての大きな判断材料となるでしょう。
つまるところ、収集した情報から具体的な仮説を立てることは、効果的な商談のための基盤となるのです。
課題解決に必要な情報を理解できていない
課題解決を目指す商談では、顧客の課題に対する深い理解が必要とされます。
たとえば、顧客が直面する課題とよく似た課題を抱える企業の課題解決事例があったとして、そのケーススタディを理解しているかどうかは非常に重要なポイントとなります。
今回の顧客にも転用できそうな施策があれば取り入れるべきでしょうし、ケーススタディと顧客の一致点・相違点を理解して比較すれば、転用可能な施策とそうでない策との違いも具体的に見て取れるはずです。
顧客の課題を的確に把握し、その解決のための情報を持つことは、信頼関係の構築にも寄与します。
能力面の不足・失敗
能力面での不足は、商談の成果に大きく影響します。
商談の進行には、ヒアリング能力や課題抽出のスキル、プレゼンテーション能力など多岐にわたる能力が求められるのは言うまでもなく、それらの能力の巧拙がそのまま商談の質を左右するからです。
たとえば、仮説をもとに顧客のニーズを正確にヒアリングできなかった場合、提案内容が顧客の期待とずれてしまい、結果として商談が不成功に終わるリスクが高まります。
かつそれぞれの能力は連動しており、1つの能力が欠けているだけで商談の質が下がる可能性があります。
仮説を基にヒアリングできていない
顧客の状況やマーケット動向上の仮説をもとにヒアリングすることで、顧客の意見や考えをより深く掘り下げることができます。
顧客のビジネスについてあらかじめ仮説を立てておくことで、ヒアリングの精度を高めたり、顧客に対して比較軸を提供したりすることができます。
反対に、仮説がないままヒアリングや提案を進めてしまうと、会合自体が的外れな内容となることが多く、商談が失敗しやすくなります。
顧客の本質的な課題を見出せていない
たとえば、顧客が「コスト削減をしたい」と述べた場合、その背景には「競合他社製品との価格競争に打ち勝つため」という本質的な課題が隠れているかもしれません。
そうであるならば、単純なコストカットの提案よりも、顧客の製品に競合優位性を持たせる開発提案や付加価値をプロモーションする施策の提案をしたほうが、顧客にとってもより魅力的であり、かつ自社にとっても収益性の高いビジネスとしやすいでしょう。
顧客の課題を深く理解することで、真に価値ある提案を行えるようになります。
商談・打ち合わせ各回の目的を設定できていない
会合の到達目標が明確であることで、どのような情報や結論を得るための会話をするのかが明確になり、双方の時間を有効に使うことができるからです。
また会話・情報が錯綜しないことで打ち合わせの主題が明瞭となり、顧客側担当者にとって提案や会話の内容がクリアで印象に残りやすいものとなるというメリットもあります。
具体的なケースを1つ挙げると、顧客との初回ミーティングでの目的が「顧客の課題を深堀りする」である場合、その方向でのヒアリングや質問を行い、次回の提案内容を練るための材料を得ることができます。
目的を明確に設定することで、商談の質と結果を向上させることができます。
担当者の心を動かすプレゼンテーションができていない
顧客担当者の心を動かすプレゼンテーションは、提案内容の受け入れをスムーズにし、顧客との関係を強化する効果があるからです。
効果的なプレゼンテーションを実現するにあたっては、ただ提案書の内容を詳細にわかりやすくするだけではいけません。
提案内容ばかりに気を配ってプレゼンテーションそのものを作り込まないことは、商談におけるよくある失敗原因の1つです。
商談で優れた成果を上げるためには、口頭での発表・コミュニケーションまで想定して設計を行い、プレゼンテーション全体をコーディネートすることが不可欠です。
たとえば、資料・グラフなどを駆使して顧客の課題や提案の効果を視覚的に示すことはもちろん、トピックの順序や時間・ウェイト配分にまで細心の注意を払いましょう。
またジェスチャー(身振り・手振り)やポスチャー(姿勢)などといった、プレゼンテーションにおける効果的な強調法まで事前に練習しておくことで、顧客側担当者に対してより効果的な伝達を行うことができます。
こうしたプレゼンテーション技術の向上は、商談の成功を大きく後押ししてくれます。
顧客との妥協点をうまく設定できない
すべての要望や条件に答えることは難しいため、どこで譲歩し、どこで主張するのかを明確にすることが求められるからです。
顧客の利益と自社の利益の双方を実現するにあたっては、どちらか一方を増大させることででもう一方が小さくなってしまうことも珍しくありません。
そうしたときにうまく折衝できないと、ビジネスに収益性や継続性を持たせることが難しくなります。
顧客が提案されたプランのコストを問題視している場合、特定のサービスを省くことでコストを削減するなど、双方が納得のいく妥協点を見つけることが大切です。
妥協点を明確にし、双方の利益を最大化することが、その顧客と長期的な関係性を築く鍵となります。
営業面の不足・失敗
営業努力の不足や営業活動上の失敗は、商談の成果を大きく左右する要因となります。
営業活動は顧客との関係構築、ニーズの発掘、提案の最適化など多岐にわたるプロセスから成り立っているため、この過程におけるミスや不足は成果への影響が大きくなります。
たとえば、訪問不足・接点獲得不足のように顧客とのコミュニケーションが不足している場合、信頼関係の構築が難しくなり、商談が難航する可能性があります。
営業活動の各ステップにおける適切な対応と最適化は、商談の成功にとって非常に重要です。
顧客担当者との関係性を築けていない
信頼関係が築かれることで、顧客からの情報開示が進み、より深いニーズの把握や効果的な提案が可能となるからです。
定期的なコミュニケーションを取り、顧客の業界情報や競合状況などを共有してもらうことで、商談時のアプローチや提案内容をより適切にすることができます。
加えて、顧客側担当者の心証は、社内決裁における後押しなど商談の成否にかかわるプロセスで大きな力を発揮する可能性も高く、軽視することはできません。
顧客担当者との関係性の深化は、商談の質と結果を向上させる要素の1つです。
ネクストアクションを確認できていない
次に何をすべきかが明確であることで、双方の期待を一致させ、計画的に進めることができるからです。
さらに、アクションが明確になることで、その結果報告などといった次回アポイントメントを設定するきっかけができ、顧客との接点獲得がスムーズになります。
商談終了時に、「次回はこの提案内容に基づいた詳細プランを持参して、具体的な実施スケジュールやコストについて話し合いたい」などとと具体的なネクストアクションを設定しましょう。
商談で失敗しないための対策法
商談を失敗させずに成功率を高めるためには、事前準備、商談中の進行、そして商談後のフォローという3つのフェーズで適切な対策を行う必要があります。
商談は1回きりのできごとではなく、複数の段階から構成されており、それぞれの段階での対策が成功へと繋がるものです。
1例を挙げると、事前に顧客のニーズを正確に把握しておくことで、商談中に適切な提案ができます。
また、商談後のフォローアップで次回の商談をセットアップすることが、商談のスムーズな進行を助けます。
この章では、商談失敗を避けるための対策法として13のポイントを紹介していきます。
- 商談の事前準備で失敗しないための方法
- 情報収集の目的を設定する
- ファクトの収集だけでなく意見も収集する
- 収集した情報を基に必ず仮説を立てる
- 主題や要点がはっきりとしたプレゼンテーションをつくる
- プレゼンテーションは時間配分まで設計する
- 商談中に失敗しないための方法
- 本題の前に打ち合わせの目的を明確にする
- テンポ良く進行させる
- その場で回答・決定できない事項は宿題として貰う
- オンライン商談なら専用の準備を行う
- 商談の最初と最後で必ず訴求を行う
- 商談後に失敗しないための方法
- ネクストアクションを明確に合意する
- 次回アポを必ず設定する
- フォローアップは欠かさず行う
以下では、各フェーズでの具体的な対策を紹介します。
商談の事前準備で失敗しないための方法
商談における事前準備は、成功の鍵を握る重要なステップです。
事前に十分な準備をしておくことで、顧客との信頼関係や提案への納得感を醸成するための基盤を作ることができるからです。
たとえば、顧客の過去のメールや問い合わせ内容をもとに、具体的なニーズや課題を予測して商談に臨むことで、その場での提案内容や価格交渉(値下げの要求など)にも迅速に対応できます。
ここでは、情報収集、仮説の立案、プレゼンテーションの作成という3つのプロセスに着目して効果的な準備法を紹介します。
- 情報収集の目的を設定する
- ファクトの収集だけでなく意見も収集する
- 収集した情報を基に必ず仮説を立てる
- 主題や要点がはっきりとしたプレゼンテーションをつくる
- プレゼンテーションは時間配分まで設計する
それぞれ順に紹介していきます。
情報収集の目的を設定する
目的なく情報を収集しても、それが商談の成功に役立つ情報であるかの判断が難しくなります。
たとえば、新製品の提案の際には、競合他社の製品情報や顧客のニーズを知ることが情報収集の主要な目的となるでしょう。
目的を持って情報収集を行うことで、商談での議論がスムーズになり失敗を回避できます。
もっと言えば、目的のない情報収集はあてのない作業となり、とめどなく作業を続けることになるため収集作業自体の生産性も低いものとなります。
ファクトの収集だけでなく意見も収集する
ファクトやデータは、それ単体ではただの断片であり、素材に過ぎないものです。
それらに対して意見や見解を付与してはじめて意味を持ち、提案に組み込むことができます。
そうした見解を見出すためにも、まずは参考値として他者の見解を収集・分析しておくことが有用です。
簡単な例を挙げると、市場規模やマーケット動向をリサーチするにあたっては、ただ数値の推移や主要企業の動きを調べるだけでなく、それに対するエコノミストやシンクタンクの見解や将来予測も必ず複数点おさえておくべきです。
ファクトと意見の双方を総合的に収集することで、商談での提案内容を練る手がかりを得られる共に、相手にとって説得力のある提案を行うことができます。
収集した情報を基に必ず仮説を立てる
仮説を立てることで、商談の流れや方向性を明確にし、必要な情報や資料を準備するための戦略的な軸を持つことができます。
たとえば、収集した市場データから、ある特定の商材ジャンルの売上高が減少していたとします。
このとき、単純に消費が減退・流行が過ぎ去ったなどと見るのか、それとも既存製品にはない新機能の需要が高まっているのかといった仮説を立てることで、実際にあなたが組み立てる提案の内容は大きく変わってくるでしょう。
加えて、その読みが顧客の持つ課題解決にクリーンヒットするであろうという仮定もよく検討しなければなりません。
こうした仮説を基に論理的に戦略を組み立てていくことが、商談失敗を避けるためには不可欠なのです。
主題や要点がはっきりとしたプレゼンテーションをつくる
自社をアピールすることは広い意味ですべてプレゼンテーションであり、プレゼンテーションにはたった1つの主題が設定されていなければなりません。
単一の主題を置くことで顧客にメリットやメッセージが伝わりやすくなり、商談において不明点や誤解を生む余地が少なくなります。
同時に、主題を明確に打ち出したほうが、担当者の胸中にはっきりとした印象が残りやすくなります。
図版の活用や1つのスライドには1つのメインメッセージを持たせるなどといった工夫で各セクションをわかりやすくすることはもちろん、構成全体にもPREP法を表現するなど、プレゼンテーション全体の筋道をはっきりとした1本筋にまとめることが重要です。
こうした構成上の整理を行うことで、顧客が情報をスムーズに理解し、商談を効率的・効果的に進めることができます。
プレゼンテーションは時間配分まで設計する
たとえば30分のプレゼンテーションなら、まずは大枠として導入5分、本題15分、質疑応答10分などといった配分を行うと良いでしょう。
その上で、本題のなかでもどのトピックにどれだけの時間を割くのかといったウェイト配分も大切です。
トピックの間で時間配分に大小がある場合、通常、聞き手はより多くの時間を割かれたほうが重要な事がらだと受け取るものです。
たとえば具体事例などを手厚く説明すると、顧客の側で導入後の業務イメージはしやすくなるものの、そもそもそれが何をもたらすのかなどといったプレゼンテーションの主題に対する印象は薄れていきます。
仮に複雑な論点を持つビジネスの商談であった場合、主題を見失ってしまうことは聞き手にとって非常につらいことです。
この場合は、その論点を紐解くことに重きを置くことで顧客の理解を助けることになるでしょう。
また自社の製品を採用してもらうメリットが複数とあるとしたら、事前に立てた仮説に基づいて、メリットのなかでも顧客が抱える課題にとって最も重要であろものに多く時間を割くべきです。
このように、プレゼンテーションは時間配分・比重でも話題の重要性を表現できるので、時間配分は緻密に設計すべきです。
商談中に失敗しないための方法
物事は段取り八分とはいえ、商談当日・商談の最中にも失敗の要因というものが存在します。
商談中の失敗は打ち合わせの進行方法に起因するものがほとんどで、そうした要因を対策しないことでプレゼンテーションの内容がうまく伝わらなかったり、商談相手からの心証が悪化したりしてしまいます。
その結果として、失注など商談の失敗を招いてしまうのです。
ここでは、それら商談中の失敗要因対策法のなかでも特に重要なポイントに絞って5つ説明します。
- 本題の前に打ち合わせの目的を明確にする
- テンポ良く進行させる
- その場で回答・決定できない事項は宿題として貰う
- オンライン商談なら専用の準備を行う
- 商談の最初と最後で必ず訴求を行う
1つずつ見ていきましょう。
本題の前に打ち合わせの目的を明確にする
目的が共有されることで、双方が同じ方向を目指してディスカッションを進めることができます。
商談ゴールの設定例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自社の製品・サービスの概要を理解してもらう
- 顧客の課題をヒアリングして課題や希望を理解する
- 顧客が抱える課題の解決策を提案して納得してもらう
- 顧客が気付いていない本質的な課題について理解してもらう
- 商談後の顧客社内稟議に必要な説明事項をヒアリングする
- 製品導入までの具体的なロードマップを策定・調整する
こうしたゴールをそれぞれの商談において設定し、会合の冒頭で相手方に伝えるようにしましょう。
会話が効果的に進行し、限られた時間のなかでも着実に商談を次のステップへと進められます。
テンポ良く進行させる
テンポが遅いと相手の興味を失う可能性がある一方で、速すぎると重要な情報が伝わらない可能性があります。
もしプレゼンテーションを行うならば、資料の各ページを適切な時間で切り替える、重要なポイントでは少し停止して強調するなどの工夫を行いましょう。
そうすることで、相手の関心や注意を損なうことなく効果的に情報を伝えることができます。
その場で回答・決定できない事項は宿題として貰う
誤った情報を伝えるべきではないのはもちろんのこと、憶測に基づく発言に頼りなさを感じられてしまうのも悪手です。
それならばいっそ、社内へ持ち帰って後ほど回答とさせてもらうほうがベターでしょう。
そして、こうして宿題を貰うことは、次のアポや連絡をとる明確なきっかけ・理由を得ることにもつながります。
その後の顧客接点創出につながるという意味でも、非常に有用だと覚えておきましょう。
ただし、基礎的な事項やその場で推論できるようなものまで回答を避けてしまうのも、商談相手に頼りなさを覚えさせてしまう要因になります。
事前に想定質問集を練り上げておき、そこから外れたものだけ持ち帰るのがおすすめです。
オンライン商談なら専用の準備を行う
オンラインでの商談は、小さな通信トラブル・機材トラブルが商談の進行や情報伝達に対する大きな妨げとなる可能性があります。
事前に接続テストを行ったり、使用するツールの確認を行うことで、そうしたトラブルを避けることができるでしょう。
同時に、通信を行う周辺環境をしっかり整備しておくことで、顧客からの印象を良くすることも可能です。
ZoomやTeamsなどのビデオ通話ツールを使用する商談であるならば、たとえば以下のようなことを確認しておくべきです。
- 通信状況・Wi-Fiの接続状況
- カメラの位置・角度(正面・目線の位置に設置がベスト)
- マイクの位置・感度(口元に近いとリップノイズや鼻息が入るため、ある程度離す)
- 照明の明るさ・角度(順光で白飛びしない程度の明るさ)
- 背景(煩雑な背景は避ける)
- 余分なウィンドウを閉じる(画面共有時に映り込まないようにする)
このような工夫を行うことで、オンライン商談がスムーズに進行し、商談相手の心証悪化も防げます。
商談の最初と最後で必ず訴求を行う
最初と最後のメッセージは特に記憶に残りやすく、かつ商談全体の印象を決定する大きな要因となるためです。
心理学においては初頭効果と終末効果(親近効果)というものがあり、それぞれ、最初に紹介された情報と最後に提示された情報とが印象や判断に強く影響する現象のことをいいます。
この現象を効果的に利用することで、自社の魅力を商談相手に強く印象付け、その後の意思決定に好影響を与えることをねらいましょう。
商談後に失敗しないための方法
商談の失敗要因は、打ち合わせが終わった直後にも潜んでいます。
本題のプレゼンテーションをうまくできたからといって気を抜いてしまうと、その提案を活かすための効果的な措置をとり損ねてしまい、成約の可能性を小さくしてしまうことがあります。
受注・成約の是非は、むしろ商談終了直後にかかっているとすら言えます。
下記の3項目は、商談後に行うべきこととして特に重要な3点です。
- ネクストアクションを明確に合意する
- 次回アポを必ず設定する
- フォローアップは欠かさず行う
詳しくチェックしてみましょう。
ネクストアクションを明確に合意する
ボールを相手に委ねたままにしてしまうと、こちらからは催促することしかできず、商談相手の意思決定にプラスの影響を与える手立ても失ってしまいます。
ただ「ご検討のほどをよろしくお願い申し上げます」とだけ言って商談を終えることは避け、次回のコミュニケーション機会の設定とそれまでの行動内容を明確にしてから商談をクロージングします。
このとき、自社としてはいつまでに・何をしなければならないのか、商談相手側にしてもらうべきことは何かなどをしっかりすり合わせましょう。
両者の認識にズレが生じないよう、具体的なアクションや期限を設定することで、その後の行動をスムーズに進められるとともに、追加の提案や訴求を行うための接点を創出することができます。
次回アポを必ず設定する
商談後は相手方からの採否連絡を待つという受け身の姿勢をとる人が多いでしょうが、これは悪手です。
相手が導入検討を行っている過程においてもコミュニケーションを密にするべきで、そのためには一定頻度以上のアポイントメントを設けることが有用です。
口頭コミュニケーションの機会さえ持ってしまえば、メールなどのエビデンスには残しにくい検討状況や懸案事項のような、意志決定途中の情報をヒアリングしやすくなります。
また、それらに対する追加提案なども行うことができるでしょう。
こうした機会・情報を能動的に獲得することで、商談を成功にぐっと近づけられます。
フォローアップは欠かさず行う
商談直後にネクストアクションの策定や次回アポイントメントを設定することはもちろん、そこから次回商談までの期間においても、自社から積極的にコミュニケーションをとることが必要です。
コミュニケーション頻度を上げることで商談相手との関係性を深めることができる上に、導入後の手厚いサポート(アフターフォロー)も想像させることができ、心証を良くできます。
商談後のお礼メールだけでなく、相手方の窓口主担当者に電話をかけて印象をヒアリングしてみるのも良いでしょう。
また数日後には検討を進めるために必要な資料をヒアリングする、自社のホワイトペーパーを送付するなど、商談相手に対する前のめりな姿勢をアピールしましょう。
長期的な関係を築き上げ、取引先からの信頼を得ることにつながります。
商談失敗に関してよくある質問
この章では、商談の失敗に関してよく寄せられる質問とその答えをQ&A形式でお伝えします。
- 商談によくある失敗談の例は?
-
商談にはさまざまな失敗談が存在します。
なかでも、一般的に、営業担当者が顧客のニーズをしっかりと把握せず、また顧客とのコミュニケーションが不足している場合に商談が失敗することが多いと言われています。
たとえば、自社の商品やサービスの特長だけを一方的に強調し、顧客の意見や要望を無視してしまうケースが挙げられます。
そのため、顧客のニーズを正確に理解し、それに応じたアプローチを心がけることが重要です。
- 商談失敗の理由は何?
-
商談が失敗する理由は多岐にわたります。
営業担当者のスキルや経験、顧客との関係性、市場の状況など、様々な要因が絡み合って失敗につながることがあるからです。
ただ、そうした多様な要因も大きく見れば次の3つに分類できると言えます。
商談失敗の3大要因- 準備面の不足・失敗
事前の調査や準備が足りていないことによる失敗 - 能力面の不足・失敗
商談担当者自身の能力に起因する失敗 - 営業面の不足・失敗
顧客との接触・コミュニケーションのあり方に関連する失敗
なかでもよくある失敗理由としては、相手のニーズを見落とす、価格交渉で譲りすぎる、競合他社に対する対策が不足しているなどが挙げられます。
各商談ごとの状況をしっかりと分析し、適切な戦略や対応をとることが成功への鍵です。
- 準備面の不足・失敗
- 商談で失敗しないためにするべきことは?
-
商談を成功させるためには、事前の準備と的確なコミュニケーションが求められます。
商談は双方の期待を一致させるプロセスであり、それに必要な共通の理解を築くための方法が重要です。
たとえば、顧客の業界情報やニーズを事前にリサーチしてそれに合わせた提案をすること、商談中に質問を積極的に行い顧客の意見をしっかりと受け止めること、明確なアジェンダを持つことなどがあります。
- 新入社員がはじめての商談で気を付けるべきことは?
-
新入社員が商談で気を付けるべきことは、基本的なビジネスマナーと相手の立場やニーズを理解する姿勢です。
商談はただの商品やサービスの説明ではなく、相手との関係性を築くプロセスであるためです。
初めての商談であっても、基本的なマナーや相手を尊重する姿勢は、信頼関係を築く上で非常に重要です。
挨拶や待ち合わせ時間の守り方、相手の話をじっくりと聞く態度、適切な質問を行うことなどが具体的なアクションとして挙げられます。
- 商談が下手な人は何をすべき?
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商談が下手な人は、自分の弱点を特定し、具体的なスキルアップや知識の習得を目指すべきです。
商談のスキルは経験と継続的な学びによって向上するものであり、商談のスキルアップのためには、自分の弱点を改善するための具体的な取り組みが求められます。
メンターや先輩からフィードバックを受け取る、商談のロールプレイを行う、セールスの書籍を読む、セミナーや研修に参加するなどの方法が考えられます。
- 商談前後のメールで気を付けることは?
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商談前後のメールでは、明確さ、簡潔さ、そして相手への礼儀を持ってコミュニケーションすることが重要です。
メールは文字だけのコミュニケーションであり、誤解が生まれやすいためです。
事前のアジェンダを明確に伝える、商談後は感謝の意を示すとともに次回のステップやアクションを具体的に伝えるなどを心がけると良いでしょう。
- 商談で値下げを依頼されたときに失敗しないコツは?
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商談の場で値下げの依頼を受けた場合は、冷静に対応し、相手の要望をしっかりと聞き出し、自社の価値を適切に伝えることが大切です。
値下げを求められる背景には、予算の問題や競合との価格競争など、さまざまな要因が考えられます。
適切に対応してその背景を理解することで、顧客と長期的で良好な関係を築くことが可能となります。たとえば、自社の商品・サービスの独自性や価値を具体的な実績や事例を元に説明することで、値下げの要望に対しても柔軟に応じることができます。
また、価格交渉においても、双方が納得する形での合意を目指すことが重要です。
- 商談の成功率が低いときのおすすめ対処法は?
-
商談成功率が低い場合は、まず商談のプロセスを見直し、自身のスキルや知識、そして戦略を再評価することが求められます。
商談失敗の背景には、商談当日だけでなく、その前後のプロセスや取り組み方に問題が隠れている可能性が高いです。
事前リサーチの不足、提案内容の不適切さ、フォローアップの遅れなど、さまざまな原因が考えられます
これらの原因を特定し、それぞれを改善することで成功率を向上させることができます。
また、課題の特定が困難であったりPDCAサイクルを回しても商談成功率が上がらない場合には、LEAGLEのようなセールス支援企業へのアウトソースも検討すると良いでしょう。
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この記事のまとめ
この記事では、商談における失敗原因とその対策法を取り上げました。
商談の成功には必ず理由があり、反対に、商談の失敗にもほとんどの場合は合理的な要因があります。
商談失敗の原因には、さまざまなものがあります。
それらの要因は、大きくは事前の準備・自身の能力・営業のアプローチに関連する不足や過ちという3つに分類することができるでしょう。
- 準備面の不足・失敗
事前の調査や準備が足りていないことによる失敗 - 能力面の不足・失敗
商談担当者自身の能力に起因する失敗 - 営業面の不足・失敗
顧客との接触・コミュニケーションのあり方に関連する失敗
この記事では上記の分類に従い、商談のよくある失敗理由を10個紹介しました。
- 準備面の不足・失敗
- 情報収集が足りていない・浅い
- 収集した情報をもとに仮説を立てられていない
- 課題解決に必要な情報を理解できていない
- 能力面の不足・失敗
- 仮説を基にヒアリングできていない
- 顧客の本質的な課題を見出せていない
- 商談・打ち合わせ各回の目的を設定できていない
- 担当者の心を動かすプレゼンテーションができていない
- 顧客との妥協点をうまく設定できない
- 営業面の不足・失敗
- 顧客担当者との関係性を築けていない
- ネクストアクションを確認できていない
これらの要因をよく理解し、それぞれをカバーする対策を講じることで、商談を成功にぐっと近づけることができます。
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