現代のビジネス環境において、インサイドセールスとオンラインセールスはそれぞれ重要な役割を果たしています。
しかし、これら2つのセールス手法は同じものであると誤解してしまっている人は少なくありません。
この記事では、インサイドセールスとオンラインセールスの基本的な概念、役割、ビジネスに与える影響について掘り下げていきます。
さらに、これらのセールス手法の導入率や、特に導入が進んでいる業界についても紹介しますので、貴社に最適なセールス手法を選択する参考にしてください。
オンラインセールスとは?
オンラインセールスとは、インターネットやデジタルツールを駆使して行われるセールス活動のことで、フィールドセールス(外勤営業)のデジタル版と見なすことができます。
この手法は、顧客との直接的な対面接触を伴わずに、オンライン上で商談を進行し、製品やサービスを提案・販売することを主目的としています。
オンラインセールスは、リモートワークやデジタル化が進む現代ビジネスの中で、特に重要性を増しており、多くの企業がこの手法を取り入れています。
- オンラインセールスの役割はフィールドセールスと同じ
- 65%の企業がオンラインセールスを導入している
- オンラインセールス導入のきっかけは新型コロナウイルスの流行
- オンラインセールスの導入率が高い業界はIT・広告出版・コンサル関連業界
オンラインセールスの役割はフィールドセールスと同じ
オンラインセールスでは、電話やメール、ビデオ会議ツールなどのオンラインコミュニケーション手段を使用して、顧客と接触します。
オンラインセールスの最大の利点は、地理的な制約に縛られずに広範囲の顧客にアプローチできる点にあります。
これには、移動時間の削減やコスト効率の向上など、多くのメリットがあります。
65%の企業がオンラインセールスを導入している
実際に、約65%の企業がすでにオンラインセールスを導入しており、導入していない企業の約40%が導入を前向きに検討しています(エン・ジャパン:300社に聞く!「オンライン商談」実態調査,2021年2月3日)。
この高い導入率は、オンラインセールスがビジネスの効率化や成果の向上に寄与していることの証拠であり、今後も、オンラインセールスを活用する企業はさらに増えると予想されます。
なお、オンラインセールスをすでに導入している企業が実感しているオンラインセールスのメリットには、「感染症のパンデミックに対応できる」「移動・出張費のコスト削減ができる」「顧客対応をスピーディーに行える」などが挙がっています。
オンラインセールス導入のきっかけは新型コロナウイルスの流行
コロナ禍が多くのビジネスに影響を与えたことは誰もが知るところです。
リモートワークやオンラインミーティングが一般化し、企業は従来のビジネス方法を見直す必要に迫られました。
営業活動においても、顧客との対面接触が難しくなり、その結果、多くの企業がオンラインセールスを早期に導入することで、ビジネスの継続を図りました。
実際、オンラインセールスの導入が増えたのは、新型コロナウイルスが流行した2020年3月以降です。
オンラインセールスの導入率が高い業界はIT・広告出版・コンサル関連業界
IT、広告出版、コンサルティング関連の業界では、デジタル技術の活用に積極的であり、オンラインコミュニケーションツールの利用が一般的となっています。
これらの業界で、今後、オンラインからオフラインにスタイルが戻ることは考えにくいでしょう。
反対に、金融、流通、小売、不動産関連の業界では、いまでもオフライン(フィールドセールス)が主流で、オンラインセールスの導入率は比較的低い傾向にあります。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、デジタルコミュニケーションツールを利用して行われるセールス活動で、主に顧客育成と商談創出に重点を置いています。
この手法も、オンラインセールス同様に顧客との直接的な対面接触を必要とせず、電話、メール、ウェブ会議といった手段を通じて進行します。
インサイドセールスは、特に顧客データの分析と管理が可能なCRMシステムを活用することで、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされたアプローチを行います。
- インサイドセールスの役割は顧客育成と商談創出
- インサイドセールスの導入率は3年間で36%から42%に上昇
- インサイドセールスがオンラインセールスを兼ねるケースもある
インサイドセールスの役割は顧客育成と商談創出
インサイドセールスの主目的は、顧客との長期的な関係を築くことにあります。
顧客のニーズを理解し、自社製品やサービスへの興味を高めることで、信頼関係を構築し、商談機会を創出します。
このプロセスでは、顧客とのコミュニケーションを密に行い、それぞれの顧客に合わせてカスタマイズされた解決策の提案が求められます。
インサイドセールスの導入率は3年間で36%から42%に上昇
過去3年間で、売り手企業におけるインサイドセールスの導入率は36%から42%へと上昇しています(HubSpot:HubSpot年次調査――日本の営業に関する意識・実態調査2023 データ集,2023年2月15日付.)。
インサイドセールスの導入率の上昇は、ビジネス界におけるインサイドセールスの役割と重要性が急速に高まっていることを物語っています。
特にBtoB市場では、効率的な顧客管理と迅速な市場対応がますます重要視されており、インサイドセールスの戦略はこれらの要求に応えるための有効な手段です。
例えば、リモートツールを活用することで、地理的な制約なく広範囲の顧客にアプローチすることが可能になります。
また、顧客データの収集と分析を容易に行えるため、よりターゲットに合わせたカスタマイズされた営業戦略を立てることもできます。
インサイドセールスがオンラインセールスを兼ねるケースもある
一部の企業では、インサイドセールスチームがオンラインセールスの活動も担当していることもあります。
Webサイト、ソーシャルメディア、メールマーケティングといったオンラインツールを駆使してセールスプロセス全体を推進します。
ただし、インサイドセールスが営業プロセスを完結する方がよいか、オンラインセールスやフィールドセールスと分業する方がよいかは、製品やサービスの内容、価格帯、企業のリソース状況によります。
自社のリソースを有効活用し、セールスプロセス全体の効率化と成果の最大化を図りましょう。
インサイドセールスとオンラインセールスの違い
インサイドセールスとオンラインセールスの基本概念を解説してきましたが、このセクションではそれぞれの違いをまとめてきます。
これらの違いを理解することで、企業は各手法を最も効果的に活用することができます。
- 役割と目的の違い
- 業務内容の違い
- 使用するツールの違い
- 向いている人材の違い
役割と目的の違い
インサイドセールスは主に、潜在的な顧客との関係構築し、商談の創出に焦点を当てています。
ここでの重要なのは、顧客との信頼関係を築き、ニーズに合わせて製品やサービスを提案することです。
このアプローチが、長期的な顧客のロイヤリティを促進します。
一方、オンラインセールスは、オンライン面談などを活用した製品の販売、サービスの成約に重点を置いています。
業務内容の違い
インサイドセールスの業務内容は、ウェブサイト、ソーシャルメディア、オンライン広告、SEO、Eメールマーケティングなど、デジタルツールを駆使して製品やサービスの認知度向上を行います。
また、それらのソースを通じて獲得したリード(見込み客)に対して、カスタマイズされた解決策を提供し、製品やサービスへの興味や欲求を掻き立て、商談設定を目指します。
一方で、オンラインセールスは、主にウェブ会議を通じた見込み客との直接的なコミュニケーションに集中しています。
社内に蓄積された顧客データを活用し、パーソナライズされたセールス戦略をもって、成約に向けた最後の一押しを行います。
使用するツールの違い
インサイドセールスでは、MA(マーケティング・オートメーション)、SFA(セールス・フォース・オートメーション)、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)などの、顧客管理や顧客育成に特化したツールの使用が中心です。
これらは広い層の潜在顧客にリーチすることを助け、顧客の絞り込みや育成を自動化するために不可欠です。
対照的に、オンラインセールスでは、CRM、ウェブ会議ツールなどの、商談に特化したツールが使用されます。
蓄積された顧客情報をCRMで参照しつつ、ウェブ会議ツールで顧客とのコミュニケーションが行われます。
ただし、ここでは使用頻度の高いツールをそれぞれ紹介していますが、インサイドセールスとオンラインセールスは密接して業務を行うため、分け隔てのないツール知識が求められることが多いでしょう。
向いている人材の違い
インサイドセールスに適した人材は、デジタルマーケティングの技術やツールに精通している人です。
これには、SEO、ソーシャルメディア、メールマーケティングなどの知識も含まれます。
また、オンラインの市場動向や顧客の行動に迅速に対応し、データを分析して効果的な戦略を立案する能力も重要です。
一方、オンラインセールスに向いている人材には、顧客との長期的な関係を構築できる人です。
コミュニケーション能力、洞察力、そしてときには忍耐力が必要かもしれません。
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インサイドセールスとオンラインセールスについてよくある質問
インサイドセールスとオンラインセールスは多くの点で似ていますが、重要な違いも存在します。
ここではインサイドセールスとオンラインセールスについてよくある質問に回答していきます。
- インサイドセールスとオンラインセールスの違いは?
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インサイドセールスは、製品やサービスの認知度向上や顧客育成が主な目的です。
主に電話やメール、ウェブ会議を通じて潜在的な顧客との関係を築き、商談を創出することに焦点を当てています。一方、オンラインセールスは、製品の販売、サービスの契約が目的となります。
インサイドセールスから引き渡された見込み客と、デジタルツールやウェブ会議ツールを使用して、直接的なコミュニケーションを取ります。 - インサイドセールスとオンラインセールスはフルリモートで活動できる?
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はい、両手法ともにフルリモートで活動することが可能です。
どちらも、デジタルツールとオンラインプラットフォーム、電話やオンラインミーティングを通じて、オフライン環境と同等のパフォーマンスを発揮できるため、物理的なオフィスの必要性は低いです。
- インサイドセールスとオンラインセールスの導入に必要なものは?
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導入に必要なものは、インサイドセールスとオンラインセールスで大差はありません。
CRMシステム、コミュニケーションツール(電話、メール、ウェブ会議システム)、メールマーケティングツール、SEO戦略などのデジタルマーケティングツール、さらに、戦略的な営業プロセスの策定が必要です。
この記事のまとめ
本記事では、インサイドセールスとオンラインセールスの基本的な概念と、根本的な違いについて解説しました。
- 役割と目的の違い
インサイドセールスは商談創出を目指し、オンラインセールスは商談での成約を目指します。 - 業務内容の違い
インサイドセールスはデジタルツールを活用した製品やサービスの認知度向上、顧客育成を行うのに対し、オンラインセールスは電話やウェブ会議ツールを通じた個別対応に重点を置きます。 - 使用するツールの違い
インサイドセールスではMA、SFA、CRMなどの顧客管理や顧客育成に特化したツールが中心で、オンラインセールスではCRM、ウェブ会議ツールなどの、商談に特化したツールを用います。
ただし、どちらも分け隔てのないツール知識が求められることが多いです。 - 向いている人材の違い
インサイドセールスにはマーケティングツールの使用スキル、戦略立案能力が求められ、オンラインセールスにはコミュニケーション能力、洞察力、忍耐力が必要です。
この記事が、インサイドセールスとオンラインセールスの違いを理解し、ビジネスに最適な戦略を選択する参考になれば幸いです。