インサイドセールスにおけるメールの重要性は非常に高いものです。
効果的なメール戦略は、顧客とのコミュニケーションを深め、ビジネスの成長を促進します。
この記事では、インサイドセールスのメール活用術として、基本的なポイントから成果が上がる具体的なポイントまで解説します。
これらの知識を活用してあなたのインサイドセールスのメール返信率を高めましょう。
インサイドセールスのメールにおける基本的なポイント
インサイドセールスにおけるメールの運用は、現代の企業営業戦略において中核をなす要素です。
このセクションでは、メールを効果的に活用し、成功を収めるための基本的なポイントに焦点を当てます。
適切なコンテンツの提供、法律遵守、KPIに基づく目標設定、そして主要な指標の評価について解説し、インサイドセールスでのメール活用の効率を高めるための基礎知識を解説します。
- 大前提として見込み客に有益な内容を送信する
- KPIに合致した目標を立てる
- まずは到達率・開封率・反応率を評価する
- 特定電子メール法に注意する
大前提として見込み客に有益な内容を送信する
有益なコンテンツこそが、メールマーケティングの効果を最大化し、長期的な顧客関係を構築する基礎となります。
有益なコンテンツとは、受信者のニーズや関心に直接的に応える情報であり、課題解決に寄与するものでなければなりません。
そのためには、対象となる顧客層(リード)を正確に把握し、対象者にとって価値のあるコンテンツとは何なのかを十分に検討しなければなりません。
一方的なお知らせや、自分本位の内容ばかり送信することは、ただの押し売りであると心得ましょう。
特定電子メール法に注意する
特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)は、スパムメールの問題に対処し、受信者の権利を保護するために設けられています。
具体的には、メール内への表示が義務付けられている項目があります。
例外もありますが、少なくとも、送信者の氏名または名称、送信者の住所、苦情や問い合わせを受け付けることができる窓口、受信拒否ができる旨の説明、配信解除の方法(配信解除URLなど)は表示しなければなりません。
これらの要件を満たさないメールは、法律違反とみなされる可能性があり、企業の信頼性にも影響を与えかねません。
KPIに合致した目標を立てる
インサイドセールスのメールにおけるKPIとしては、アクション数(送信数)、返信率、顧客エンゲージメントの度合い、コンバージョン率などが挙げられます。
KPIは状況によって変わるため、その時々に応じた戦略が必要になるということです。
これらのKPIを用いて目標を設定し、定期的に成果を測定することで、メール戦略の有効性を評価し、必要に応じて戦略を調整することができます。
まずは到達率・開封率・反応率を評価する
KPIに応じた戦略が必要ではありますが、到達率、開封率、反応率の3つは、常にチェックしておく必要があります。
- 到達率
-
メールが実際に受信者に届いた割合。
「到達率=到達アドレス/配信リスト数」で計算。 - 開封率
-
受信者がメールを開封した割合。
「開封率=開封数/到達数」で計算。 - 反応率
-
メール内のリンクがクリックされた割合。
「反応率=クリック数/開封数」で計算。
これらの指標を通じて、メールキャンペーンの効果を客観的に評価し、改善のための洞察を得ることができます。
到達率を高めるポイント
到達率とは、送信したメールが実際に受信者のメールボックスに届いた割合を指します。
インサイドセールスにおけるメールキャンペーンを成功させるためには、とにもかくにも到達率を高めなければなりません。
ここでは、到達率を高めるための重要なポイントを掘り下げ、効果的なメールリストの構築と管理方法について解説します。
なお、メール一斉送信時に到達率が95%未満になると、あなたからのメールが迷惑メールとして判定されるリスクが高まります。
- リストは量より質を意識する
- リストは定期的にクリーニングする
- リストはオプトインで取得する
リストは量より質を意識する
大量のメールアドレスよりも、関連性の高い、質の高いリストを構築することが重要です。
質の高いリストとは、実際に製品やサービスに関心を持っている見込み客のリストを指します。
質の高いリストの構築には、まず、ターゲット層の興味やニーズに合致するコンテンツを提供し、それらの見込み客を集めることから始めなければなりません。
さらに、過去のメールキャンペーンに対する反応や行動のパターンを分析することで、リストの質を高めていくこともできます。
リストは定期的にクリーニングする
リストのクリーニングとは、非アクティブな(メールが届かない、いつも反応がない)アドレスの削除や除外です。
リストを定期的に更新し、不要なアドレスを取り除くことで、メールキャンペーンの全体的な効率と有効性を向上させることができます。
また、このプロセスは、迷惑メールとしてマークされるリスクを減らし、送信するメールが目的の受信者に確実に届く確率を高めます。
リストはオプトインで取得する
オプトインとは、受信者が事前にメールの受信に同意している状態を指します。
見込み客に自発的にメールリストに登録させる仕組みを構築することで、関心のある見込み客に対してのみメールを送ることができます。
このアプローチは、到達率を高めるだけでなく、開封率や反応率にも顕著に影響するため、インサイドセールスのメール戦略において最も重要なポイントです。
なお、メールアドレスのリストを購入することは、むしろ非効率的であり、迷惑メールと見なされるリスクを高めるだけですので、絶対にやめましょう。
開封率を高めるポイント
開封率とは、受信者のメールボックスに届いたメールが開封された割合を指します。
メールキャンペーンの成功において、開封率は非常に重要な指標です。
開封率が高ければ高いほど、メールが受信者の関心を引き、実際に読まれているということになります。
このセクションでは、開封率を高めるための戦略的アプローチを詳しく解説します。
ただし、一部のOSでは開封状況が送信者に開示されなくなるなど、開封率の精度は年々下がっているため、絶対的な基準とするのではなく、参考程度に留めることが重要です。
- リストをタグ付けしてセグメント配信する
- 開封率が高い曜日や時間に送信する
- メールを開封しないリストはリエンゲージメントグループとして除外する
- 差出人名は分かりやすく認知されているものにする
- 件名には開封するメリットを挿入する
リストをタグ付けしてセグメント配信する
これは、メールリストを特定の基準や興味に基づいて分類し、各セグメントに合わせた内容のメールを送信する手法です。
タグ付けを通じてリストを分けることで、各顧客の特定のニーズや関心に直接アピールするメールを送ることが可能になります。
例えば、過去の購入履歴、閲覧履歴、特定の製品への関心などに基づいてセグメントを作成できます。
このようにパーソナライズされたアプローチは、開封率を高め、より高いエンゲージメントを促すことができます。
開封率が高い曜日や時間に送信する
BtoBの場合、一般的に、火曜日や水曜日の午後(14時~16時)が、ビジネス関連のメールが最も読まれやすいとされています。
この曜日・時間帯は、多くの人が、週や1日の忙しさから一息つき、メールチェックに時間を割く傾向があります。
したがって、この時間帯に配信することで、開封率の向上が期待できます。
ただし、あくまで一般論であり、業界や職種によってはこの限りではありません。
メールを開封しないリストはリエンゲージメントグループとして除外する
これらのリストは「リエンゲージメントグループ」として分類し、異なるアプローチを試みることが必要です。
このグループに対しては、よりパーソナライズされたメッセージや特別なオファーをすることで、再び関心を引き戻すことから始めましょう。
また、これらのリストに特別なオファーを送信した際の反応を分析することで、全体的なメール戦略のヒントが見つかることもあります。
差出人名は分かりやすく認知されているものにする
受信者にとってなじみ深く、信頼できる差出人からのメールは、開封される確率が高まります。
企業名やブランド名を明確にし、可能であれば個人名を加えることで、メールに親しみやすさと信頼性をもたらすことができます。
反対に、メールキャンペーンのときだけ差出人名を変える、人物が頭に浮かばないような差出人名になっている場合、スパムやウィルスを懸念する受信者は、メールを開かずにゴミ箱に移動するでしょう。
件名には開封するメリットを挿入する
件名は、受信者にとって価値があると感じられる内容を簡潔に伝えるものでなければなりません。
簡潔で具体的なメリットを提示することで、受信者の好奇心を刺激し、メールを開封させる確率を高めることができます。
件名は長くても30文字程度、できれば20文字程度が好ましいです。
パソコン上のメール一覧画面では30文字程度まで表示されますが、人間の脳が瞬間的に理解・判別できるのは20文字程度が限界だからです。
また、例えば「限定オファー」や「最新情報をお届け」のような言葉を含めることで、受信者の関心を引き、メールを開封する動機となる可能性があります。
反応率を高めるポイント
反応率とは、メールを受け取った見込み客が何らかのアクション(例えば、リンクをクリックする、問い合わせを行うなど)を起こす割合です。
このセクションでは、反応率を高めるための具体的なポイントを掘り下げ、効果的な戦略を紹介します。
反応率が高いほどメールキャンペーンの効果は大きいと言え、反応率を5%以上に保つことができれば理想的です。
- 宛名は送信先の個人名にする
- HTMLメールを作成・送信する
- 最初の140文字で興味をひけるかが勝負
- 末尾にCTAを配置する
- 段階的にオファーする
宛名は送信先の個人名にする
個人名でメールを送ることは、受信者に対する個人的なアプローチを示し、メールの内容に対する関心を引き出します。
言い換えると、宛名が個人名にカスタマイズされていないメールは、それだけで、一斉送信の営業メールというレッテルを貼られる時代です。
このパーソナライズされたアプローチは、受信者に、単なる宣伝メールではなく、自分だけに向けられた特別なコミュニケーションと感じさせます。
結果として、受信者はメールに対してより肯定的な反応を示しやすくなり、メールの内容に対するエンゲージメントが増加します。
HTMLメールを作成・送信する
HTMLフォーマットを使用することで、カラフルなデザイン、魅力的な画像、視認性の高い構成などをメールに取り入れることができ、メールの内容をより際立たせることができます。
さらに、HTMLメールはブランドのアイデンティティを強化し、メール内の情報をより視覚的に伝えることができます。
ただし、すべての受信者のメールクライアントで正しく表示されるように、HTMLメールの設計には注意が必要です。
また、ロード時間が長くなりすぎないように画像サイズにも注意を払う必要があります。
最初の140文字で興味をひけるかが勝負
人間が楽に読める文字数は140文字程度です。
これを超える文章は、少なからず「読むぞ」という気持ちがなければ読み進めることが困難です。
したがって、最初の140文字で、受信者の興味を引き、「読むぞ」「続きも読みたい」と思わせることができなければ、残りの内容を読んでもらうことはできません。
最初の140文字で、メールの主なメッセージや提供する価値を明確に伝え、受信者に全文を読ませるための興味や好奇心を刺激することが重要です。
末尾にCTAを配置する
せっかくメール全文を読んでもらっても、受信者が次に取る行動が伝わらなければ、メールを送信している意味がありません。
明確で説得力のあるCTAは、受信者に具体的な行動を促し、インサイドセールスの目標を達成するための重要な手段となります。
CTAを効果的にするためには、目立つ位置に配置し、行動を促す明確な言葉を使うことが大切です。
また、クリックしやすいボタンやリンクのデザインも、CTAの成功に寄与します。
なお、CTAは、購入を促すものから、情報提供を求めるもの、特定のウェブサイトに誘導するものなど、目的に応じて様々な形を取ります。
段階的にオファーする
メールの1通目から高価な製品やサービスの購入を促すのではなく、最初は小さなコミットメントやアクションを求めることから始めましょう。
例えば、無料のトライアルや資料のダウンロードなど、受信者が簡単に行動できる小さなステップを設けることが有効です。
これにより、受信者との関係を徐々に築き上げ、信頼と関心を高めることができます。
最終的に、この信頼関係をもとに、より大きなコミットメントや購入につなげていくことが可能になります。
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インサイドセールスのメールについてよくある質問
このセクションでは、インサイドセールスのメールについてよくある質問とその回答を紹介します。
- インサイドセールスでメールを送る目的は何ですか?
-
インサイドセールスにおけるメールの主な目的は、製品やサービスに関する情報を伝え、見込み客の関心を引き、最終的には販売に結びつけることにあります。
また、メールを通じて顧客のニーズや関心を理解し、パーソナライズされた提案を行うことで、長期的な顧客関係を築くことも重要な目的のひとつです。
メールは、時間や場所に制約されることなく、効率的に大量の見込み客にリーチできるため、インサイドセールスにおける重要な手段とされています。
新規開拓の営業メール作成手順と送り方のコツ【例文・テンプレあり】 「新規開拓の営業メールを作成する手順や例文が知りたい」「どのようにメールを作成すれば良いのだろう」 と考えていませんか。 結論として、具体的な新規開拓の営業メ… - インサイドセールスのメールにおける返信率(反応率)はどれくらいですか?
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インサイドセールスのメールにおける反応率は、業界、ターゲット、メールの内容、戦略によって大きく異なりますが、一般的に反応率は1%、5%あれば成功と言えます。
しかし、高度にパーソナライズされたキャンペーンや、ターゲットを絞ったメールでは、これよりも高い反応率を達成することも可能です。
- インサイドセールスのメールにおけるKPIは何ですか?
-
インサイドセールスのメールに関するKPIには、リード数(送信数)、到達率、開封率、クリック率、反応率、顧客エンゲージメント率、コンバージョン率などがあります。
これらの指標は、メールキャンペーンの効果を測定し、戦略を最適化するために重要です。
これらのKPIを定期的にチェックし、分析することで、メールキャンペーンの効果を評価し、改善策を講じることができます。
この記事のまとめ
この記事では、インサイドセールスのメール戦略を最適化し、ビジネスの成果を向上させるための実用的なアドバイスを紹介しました。
最後に、インサイドセールスにおけるメールの重要なポイントをまとめます。
- 基本的なポイント
- 大前提として見込み客に有益な内容を送信する
- 特定電子メール法に注意する
- KPIに合致した目標を立てる
- まずは到達率・開封率・反応率を評価する
- 到達率を高めるポイント
- リストは量より質を意識する
- リストは定期的にクリーニングする
- リストはオプトインで取得する
- 開封率を高めるポイント
- リストをタグ付けしてセグメント配信する
- 開封率が高い曜日や時間に送信する
- メールを開封しないリストはリエンゲージメントグループとして除外する
- 差出人名は分かりやすく認知されているものにする
- 件名には開封するメリットを挿入する
- 反応率を高めるポイント
- 宛名は送信先の個人名にする
- HTMLメールを作成・送信する
- 最初の140文字で興味をひけるかが勝負
- 末尾にCTAを配置する
- 段階的にオファーする