リーグル株式会社は、企業が新しい取引先を見つけ、効率的に成約に導くための営業・マーケティング支援を行っています。我々は、インサイドセールスや新規コール、リードフォローなど、多岐にわたるサポートを提供しており、これまでに750社以上の企業と2500を超えるプロジェクトを成功させてきました。今回、その豊富なノウハウを基に、トークスクリプト自動生成AIの開発に成功しました。これにより、より一層お客様のビジネス成長を支援していきます。
業務負荷を軽減する生成AIの開発背景と狙い
玉城:今回、トークスクリプト自動生成AIを開発した大橋さん・竹川さんにお話を伺います!よろしくお願いいたします!
大橋・竹川:よろしくお願いいたします!
玉城:では早速ですが、開発されたトークスクリプト自動生成AIについて機能や開発背景を教えていただけますか?
竹川:簡単に言うと、このAIはトークスクリプト作成の時間を劇的に短縮します。従来、経験豊富なメンバーでも30分から1時間、新人では3時間かかっていたスクリプト作成が、AIで大幅に効率化されました。
そもそもトークスクリプトの作成に時間がかかる理由は、事前の競合・市場等の調査や、コンテンツを学習するための資料の読み込みです。我々は商談の場をセッティングするためのプロなので、クライアントさまと同等の知識をインプットする必要があります。
そんな中、大規模案件で月に20件ものスクリプト作成が求められる機会があり、時間の負担が大きな課題となりました。残業削減が求められる中で、この負担を軽減するために、大橋さんへ相談したところ、生成AI開発のアイデアがありました。
大橋:リーグルの営業は、商材の理解と提案力が鍵。AIを使うことで、我々の豊富な実績と知見をもとに、より迅速かつ的確な提案が可能にならないかと考えたところ、AI機能の活用を思いつきました。
リーグルの強みは、750社以上の企業と2500を超えるプロジェクトを成功させてきたという実績。生成AIにリーグルの豊富な実績や今まで蓄積したナレッジ、さらにお客様からのフィードバックを学習させることで、関連コンテンツから想定される課題やニーズを抽出しリーグル独自のトークスクリプトが作れるのではないかと仮説を立て、早速グループ会社のオープン株式会社に声かけをしました。
開発者との対談はこちら
生成AI導入の成果と今後の展望:業務効率化と人材育成の両立
玉城:実際にトークスクリプト自動生成AIを導入することによって、具体的に業務時間は改善されたのでしょうか?
竹川:これまで時間がかかっていた資料の読み込みや整理作業は、生成AIが要約してくれるため、短時間で済むようになりました。
実際に約1ヶ月間実施したところ、スクリプト作成時間を従来の1/3に短縮することに成功。昨年の新規プロジェクトに換算すると、約330時間の削減効果があります。
また、メンバーの経験によるスクリプトの品質のばらつきを最小限に抑えられた点も大きな成果です。
生成AI活用前 生成AI活用後
オプトイン取得率 80%(平均) 80%(平均)
スクリプト作成時間 500時間/年間 170時間/年間(予想)
玉城:えっ!オプトイン取得率は変わらないのにスクリプト作成時間が半分以下ですか?!
竹川:そうです、業務を人からAIに置き換えたことによるパフォーマンスの低下は発生せず、一方で業務削減効果の観点では、年間で約70%の負荷軽減が達成できる数値の想定ができています。(2024年8月時点)
また、過去のプロジェクトデータを基に、ターゲット企業の業種や規模、部署情報、扱った商材やサービスカテゴリーを分類し、新規案件に一致する成功事例から、最適な訴求メッセージを導き出すことが可能になりました。
玉城:トークスクリプトにおいて「訴求メッセージ」は重要なポイントなんですね!
竹川:リーグルの営業活動の軸は、単に製品やサービスの強みをアピールするものではなく、お客様の課題やニーズの解決策を提案することに重きを置いています。そのため、単に商品の売り込みをするスタンスではなく、付加価値の提供と潜在的なニーズの発見を提供するためにも、訴求メッセージは必要不可欠となります。
過去事例から効果的な訴求メッセージを効率的に洗い出せることで、一社一社、丁寧に営業活動を行っていくための事前準備にかかる時間を削減でき、実際の営業活動に時間を大きくかけられることに成功しました。
玉城:それは素晴らしいですね!AIを使っていいこと尽くしですね・・・!
竹川:確かに業務時間の大幅な短縮は大きなプラスですが、その一方で、新たな課題も見えてきました。これまでは情報の読み込みを通じて知識を深めてきましたが、生成AIに頼りすぎるとその機会が減る可能性があります。その機会は別で補っていかなければいけないと考えています。
生成AIは万能ではなく、正しい知識を持っているからこそ、活用できるのだという認識を持ち続けていくべきだと思います。
玉城:AIを使った業務効率化を進めるには、同時に人材育成も重要だということですね。ありがとうございます!
最後に大橋さん、今後の生成AIを活用した展望についてお聞かせください。
大橋:生成AIを基盤に情報をさらに蓄積・整備することで、コール業務だけでなく、メールマーケティングのコンテンツ作成や営業活動時の会社説明・サービス説明のテンプレート作成など、利用シーンはさらに広がると考えています。
今後も生成AIを活用して業務効率化を進め、効率化によって生まれた時間をメンバー各自がプロジェクト改善やお客様とのコミュニケーション、自己成長に活かしていただけるよう、会社全体で力を入れて取り組んでいきます!